希少採集産地のヒメオオ羽化個体

神奈川県箱根産ヒメオオ羽化 2006.12.09
(画像:1~4)イメージ 1

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●京都府産ヒメオオ羽化 2004/05/04
(画像:5~6)
京都符において採集された絶滅危惧1A指定(絶滅寸前種)の
京都府産ヒメオオが羽化した。
ブナの菌糸ブロックを崩して使用したマットを利用

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●香川県産ヒメオオ羽化 2005/04/30
(画像:7~8)
香川県で採った不明幼虫が香川県産ヒメオオとして羽化した。
香川県においてはヒメオオの採集記録は私が調べた段階では無かったと思われた。
この羽化において香川県にヒメオオがいると証明できたと思う。
ブナの菌糸ブロックを崩して使用したマットを利用

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●幻の鹿児島県産ヒメオオ 2007.06.24羽化
(ヒメオオ南限更新個体)

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ヒメオオの幼虫~蛹~羽化

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●ヒメオオの幼虫
★ヒメオオの特徴が良く現れている
頭部亀裂線の内側が薄いオレンジで外側が濃いオレンジ色である。
(クワムラヤ・甲冑屋式頭部亀裂線識別法と名付けた)
★食痕の細かさもヒメオオの特徴のひとつである。

●ヒメオオの蛹
画像のみ

●ヒメオオの羽化
★三重県にて2004/05/03に採集した不明幼虫がヒメオオとして羽化した。
ヒメオオの羽化直後は赤みかかっており、特に♀においてはアカアシとの判別が難しい。
時間が経ち、艶消しの感じに変わるまで、どっちと悩むケースも多い。♂の場合は大アゴの
湾曲の感じで判別はつき易い。

菌糸飼育で死んだヒメオオ♂

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●菌糸による影響で死んだのか、寿命で死んでから菌糸に犯されたのかは不明である。

密封した菌糸のポリボトルにてヒメオオを飼育したことがある。ボトルの底に菌糸を残しそこに細いコナラの産卵材をそのまま入れて、小型のヒメオオ♂♀を入れて、そのまま蓋をしたことがある。1日目は調子良かったが、2日目は♂♀とも死んでるようにグッタリしていた。慌ててボトルから取り出し昆虫マットに移して様子を見たら、翌日なんとか元気になった。 それから大きめの飼育ケースにして密封性があまり強くならないようにすれば菌糸マットでの飼育可能が分かった。

今回のは死んでから菌糸がまわったものと考えられる。

マット飼育 実験:★クルビマット★ブナ完熟マット等

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●クルビマット (画像1/2)
幼虫飼育にクルビマットを使用したが画像のような感じの菌糸みたいなものが
回り、幼虫が何匹か死んでしまった。または気門付近に黒いカサブタのような
ものが出来てしまい生きてるものの衰弱してしまった個体も出た。

●ブナ完熟 (マット画像3)
無加水の状態で使用してみたが幼虫の死亡は少なく、このマットは良いと
思える。

●仔細は2007年度版累代セットにも記載したようにブナ完熟マットを変更した。

クルビマット→ブナ完熟マットへと交換していき、幼虫の死亡率が少し減ったが、まだ密封性の高いプリンカップ内では時折、菌糸のようなものが回り幼虫が死んでしまうことがある。材割りをする中でブナの完熟マットのようなところに居る幼虫も居るが、材自体は硬く菌が回りにくい・・・菌糸ビン作成時に良く使われるブナの生オガコを今回購入し、ブナ完熟マットとブナ生オガコを混合させて幼虫飼育に使うことにした。画像はブナ完熟マットの劣化状況とその時に死んだ幼虫の画像である。ブナ生オガコとの混合マットの画像は2007年度版累代セットを御覧下さい。

マット飼育実験:★ブナシメジ水溶液昆虫マット★アミノ酸水溶液入り昆虫マット

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●2002年累代飼育セット用にキノコ・マットを作製してみた。

★ブナシメジ水溶液昆虫マットを作成してみた。
市販の昆虫マットと廃棄マットの再利用をミックスにしたものにブナシメジ水溶液を混ぜてみた。
しっとりとした感じになり幼虫飼育にも使ってみることにした。
他にシイタケ、マイタケ、ナメコ、エノキのキノコ水溶液も同様に実験したが
ブナシメジが一番良かった。
★ブナシメジマットは密封が強すぎると加水気味の感じになりやすく
幼虫が死んでしまい・・・・実験としては失敗であった。(ヒメオオには合わなかった)

●アミノ酸水溶液入り昆虫マット
雑誌社の編集依頼があり、ヒメオオ幼虫の新しい累代方法を現在実験している。新しい昆虫マット添加物実験である。とりあえず死亡することなく2日が経過した。  その昔、味の素を振りかけたり、小麦粉と混ぜたりした諸先輩がいた。今では小麦粉による一次醗酵などはベースの飼育法になっているかと思うが、最初にやった人は・・・楽しかったであろう。 人からは白い目で見られ、でも本人は真剣そのもの。新しい実験はいつやっても楽しいものである。 誰もやってないのだから・・・失敗も多いけど、教えてくれる人も居ない・・・これは最高である。  成功したらいずれ雑誌に投稿することになるし、失敗であればこのブログでおしまいかも?

追加確認 20060319に確認の結果、幼虫2匹とも生存中でした。 

実験失敗・・・5/12幼虫★になりました。

★ダミー材 ★天然水仕込み採卵材★アミノ酸仕込み材

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●秘伝DHAさんのダミー材
★秘伝なので内緒! 材の画像は公開します。

●天然水仕込み採卵材の製作
ミネラル水を使い採卵材を作ってみることにした。
雪解け水を吸い込んでいる倒木・立ち枯れに少しでも近づけたいと思った。
1週間程度、天然水ミネラルウォーターの軟水にて採卵材を漬け込んでから
水切りをして使用してみた。 *雪解け水が軟水である。

●アミノ酸仕込み材
味の素(科学調味料)を混ぜたマット
ビール酵母、蕎麦粉、フスマや色々な食材が使われてる。
最初は何やってんだろう? 菌糸ビンも最初はそうだった?
アミノ酸が良いのかは判らないが、何でもやった方が面白い。

★シラカンバ材★霊芝材★ヤナギ材★エノキカワラタケ材

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●シラカンバ材(1年間ブナ菌糸カス漬け込み材)
シラカンバにおいてルッキングでヒメオオが採れる事例は各県においてもあり
同じカンバ類のダケカンバの黒枯れ材においてヒメオオの幼虫が採れたと言う
採集例が山梨県においてある。実験材として使ってみることにした。

ただそのままシラカンバの生木や朽木を飼育セットに入れて難しいと考えて
1年間ブナの菌糸カスの中に漬け込み寝かせてみた材を利用した。
★シラカンバ材での産卵成功率は極めて低いが、生まないことも無い。
 1匹ではあるがシラカンバ材を割り出したところヒメオオの幼虫が
 得られていた。しかしこの材は割り出す少し前に追加加水を行なって
 しまい、材の中でヒメオオの幼虫が死んでしまった状態で発見されている。

●霊芝材
霊芝(キノコ類)を使って作った材である。霊芝材の硬めの部分だけの
限定で言えば、ヒメオオの採卵には成功している。
★ヒメオオ採卵成功率は普通ぐらい、硬めの部分には産むことはある。
 カラカラの乾燥した霊芝材の木っ端材から累代幼虫を割り出したことがある。

●ヤナギ材
たぶんこれは枝垂れ柳の材とは思うがヤナギ材として売っていた。スライス材にして
採卵セットの中に入れた。確か1-2匹は幼虫が取れた気がする。
★ヒメオオ採卵成功率は低いと思うが、全く産まないことは無い。
 過去ヤナギ材にて累代幼虫を取られたクワ友さんがいる。

●エノキカワラタケ材
この木は1.5mほどの長さのエノキ原木にカワラタケ菌を打って貰ったのだがオークションで
当時2000円だったと記憶している。3年間ビニールに入れたまま保管していた。飼育ケースに
入れるサイズにする為切断した後のがこの写真である。
★ヒメオオ採卵成功率はそこそこ高い。
 カワラタケ菌がまわっている木の場合は幾分か乾燥している状態の方が
 採卵には良いようである。 たまたまオオクワに使ったところオオクワは
 爆産状態、ヒメオオはそこそこ産んだ程度である。

★コナラB材 ★クヌギ産卵材

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●コナラB材

コナラB材とは規定外や芯や節の少しある材が安価なB材として販売されている。
全て白枯れの柔らかなA材よりもヒメオオには適していると思っている。
コナラはクヌギと比べると幾分か北国向きかと思っている。クヌギより自生域の
緯度も高く、標高も少しクヌギより高い標高まで自生している。山採れブナ材以外の
材としてはヒメオオの産卵材には良い材である。

★累代成功率も高い材である。
★加水はしっとり加水の硬め維持ができる方法が良い。
 加水した針葉樹マットに漬け込み水分を吸収させる方法も有効。
 菌糸カスに漬け込み水分を吸収させる方法も有効。
 ビニール袋内に乾燥している状態で保管していても良い。
いずれにしても加水はさせるが硬さが残る方法を試してみると良い。

●クヌギ産卵材

クヌギの自生域にはヒメオオは生息していない。クヌギについて調査を行なった結果、
自然林としては福島県以南が自生域と思えられる。もちろん2次林などで植林されて
生息している所は青森県や北海道の一部でもあるようだが、また標高としても低く
ブナ帯での混合林にはほとんど無いと言える。 北国のマイタケ・ブナシメジが多いのと
イシタケ栽培の地域があまり北国に無いのもその関係かも知れない。ただ現在は室内に
おける培養栽培もあり、昔のキノコの産地と変わっている可能性もある(余談だが・・)。

★ヒメオオの産卵成功率はあまり高くないが、産まない訳でもない。
★一番手に入り価格が安いことと材の供給が安定であり、商品管理もされている。
 ただ、材として使うのであればなるべく芯などがあるようなB材が良い。
 採集時においては柔らかめの白枯れからのヒメオオの発見はほとんど無い
 柔らかな白枯れのクヌギ材を使用すると材を齧ることはあっても寝床になる
 ぐらいで産卵はしてない場合が多い。
★なるべく加水を軽くした状態で使う(加水しすぎの柔らか材は最悪)か、
 できればしっとりさせる加水をし、ただ硬さを維持させる方法を考慮すると良い。
★私自身は1991年からヒメオオを飼育しているが1992年05月にクヌギの
 乾燥気味の材からヒメオオの幼虫を取ることができたのでクヌギでも産むと断言できる。
 また他の累代飼育者の中でもクヌギ材からヒメオオ幼虫を取ることを成功した方もいる。

★山採れブナ材 ★ブナカワラタケ材

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●山採れブナ材

材割り採集時において廃材で使えそうな材は持ち帰ることがある。
基本的にはブナの朽木のみである。

自然乾燥をさせているが、今回遊びでブナシメジ(市販)の水溶液に浸けて加水
してみることにした。

★採卵成功率はやはり高い材である。
★ただ山採れと言うことで雑虫の処理が面倒である。
 雑虫:カミキリ幼虫・甲虫幼虫・白蟻・蜘蛛・キクイムシなども混じる。
★産卵ケースに合う大きさにカットする時に材が硬いのでカットが大変である。

2004年に南会津にて拾って来たブナ材を加水しブナシメジとともにビニール袋へ入れてみた。
袋のフタは閉じてはなく、軽く空気が通る程度にしてみた。キノコが腐るか、菌が回るかは判ら
ないが実験してみることにした。少しでも天然材に近付けばとの気持ちである。

山採りのブナ材と一言になるが、ブナだから何でも良いと言うものではなく、
ヒメオオが採れそうな材もあれば、居ないであろう材もある。また居るライン
もある。単にブナを使ってもヒメオオは産むとは限らない。どうせ累代セットを
組むのであれば、産みそうな材をセットしてあげたい。採集派と飼育派が対立
するのではなく、飼育派の方も自分の知らない知識を持つ採集派の方とどんどん
交流すべきだと思う。 自然の状態を人工的に作らなければならない飼育・・・
飼う飼育から変えていかなければならないのかも知れない。  
今の動物園や水族館もただ見せるから生態系の環境を考えた状態に飼育ゲージが
変化してます。テーマはより自然に・・・

●ブナカワラタケ材

ヒメオオ=ブナ材のイメージとおり沢山産むだろうと思い購入した。
結果は期待外れのような気がした。 山採れブナ材とブナカワラタケ材では
同じブナなのに何故?結果が違うのと思われるかも知れないが、答えは簡単であった。

■ブナカワラタケ材はオオクワ等向けに生産している場合か殆どで白枯れ部分が中心。
■山採れブナ材は自分が採集しててこの木なら産みそうだと言う木を持って帰る。
この違いがあり、同じブナではあるが・・・結果は違った。

★ヒメオオ採卵成功率は普通で、加水すぎに注意をすること。
 微加水か一度加水ししっかり水切りをした、少し硬めの方が産みやすい。