採卵時期と温度について

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6月上旬~7月上旬にかけてヒメオオ♂にたいして♀の数が少なく感じる時期がある。ヒメオオの場合は持ち腹越冬をする種と思われるし、♂にたいして♀の羽化時期も早い。この時期がヒメオオのメインの産卵時期と思われる。気温にして約16度前後。採集を続けていく中での感じであるが7月~9月は交尾期間とした場合。8~10月が産卵期となるが厳冬下での初令幼虫よりも初夏の初令幼虫の方がより安全に幼虫として越冬しやすい。♀の多くは越冬直後の6月上旬~7月上旬に産卵活動をすると考えれば♀が少ないのも納得できる。また新成虫で羽化した個体が7月~9月に野外活動を開始し、交尾活動を始めるとなれば、ヒメオオがこの時期数多くなるのも納得がいく。自宅飼育下では外気温が高山のように下がらないこともあり、11月頃に自宅で幼虫が孵化したケースも多かった。 当然、高山下の環境と自宅飼育下の環境での時間・時期のズレはあっても当たり前の話しでその辺をイメージしていれば良い話しである。

2007年度版累代セット

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●2007年度版累代セット

2006年においては針葉樹マットをメインに山採れブナ材とコナラB材にて採卵セットを
組み累代幼虫を年間で約40匹近くを出したが、材の割り出しが遅く産卵材を食べ尽く
して、針葉樹マットのマットの中に潜り込み針葉樹マットの中の食べカスを食べてた
幼虫も発見した。これは多くの幼虫が気づかないうちに何匹か死亡していたことも予想
された。その為2007年度は再び昆虫マットへと切り替えることにした。

2002年では昆虫マット
2003年では昆虫マット+ミズゴケ
2004年では菌糸カスマット
2005年では菌糸ブロック崩しマット
2006年では針葉樹マット
2007年度は昆虫マットへ再び変更

もちろん2002年から色々な産卵材仕込み実験・ペアリングの時期や大きさの確認
越冬個体の産卵確認や単独飼育か同居飼育かなども色々観察をした。

★昆虫マットはどのマットが産卵/幼虫飼育に良いかを調査しょうと思っている。

●ブナ完熟マット→ブナ完熟+ブナ生オガコ混合マットへ

クルビマット→ブナ完熟マットへと交換していき、幼虫の死亡率が少し減ったが、まだ密封性の高いプリンカップ内では時折、菌糸のようなものが回り幼虫が死んでしまうことがある。★マット飼育に仔細画像http://blogs.yahoo.co.jp/katuuya2009/3495119.htmlがあります。

材割りをする中でブナの完熟マットのようなところに居る幼虫も居るが、材自体は硬く菌が回りにくい・・・菌糸ビン作成時に良く使われるブナの生オガコを今回購入し、ブナ完熟マットとブナ生オガコを混合させて幼虫飼育に使うことにした。これは材割りの際にヒメオオの幼虫が白枯れの所と芯の黄色・褐色などの色の部分との境に多く、枯れて無いブナのオガコが混ざっていても状態は自然に近い感じがするからである。完熟マットだけだと劣化による菌糸状態になることもあるが生オガコを混合させることで多少オガコが吸収してくれるのではないかと思うのも交換の要因のひとつである。

2006年度累代セット

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●2006年度累代セット。

2005年度はブナ菌糸ブロック崩しマットを敷き詰めたセットであったが、
夏場の菌糸劣化に遭遇し、2005年の後半は実験的に針葉樹マットに変更していた。

★2006年度は当初から針葉樹マットによるセットとして組んでみることにした。
★産卵材は山採れブナ材とコナラB材とを基本材にした。
★加水状態はしっとりさせながら材の硬さを維持する・・・針葉樹マットに
  気持ち多めに加水をし、乾燥状態のまま材を投入して材が自然に針葉樹マット
  の水分を吸込むようにした。
★保水維持の為に飼育ケースにビニールのシールドを中蓋としてして利用した。
★♂♀のペアの大きさはなるべく大型の♀と中型・小型の♂とのペアリングとし
  大型♀の場合は同居飼育としたが、中・小型の♀はなるべく♂との交尾確認後に単独飼育とした。
★エサは市販の安いゼリーである。
★飼育温度は夏場24度前後、秋・春は常温で冬はおおよそ8-15度前後の常温である。

●エノキカワラタケ菌糸材3年仕込み
★1.5mのエノキ原木にカワラタケ菌を植菌した材を2002年にオークションで購入し、
ビニールの袋に入れたまま、日陰で3年間寝かしました。 菌は全体的に周り、
今は落ち着いた感じでしたのでヒメオオクワの採卵材に使用することにしました。
材は軽めの加水をしただけで、材の周りに加水した針葉樹マットを配置し、材を
埋め込むような感じでセットしました。

2006年度版累代セットにおいてヒメオオのF1幼虫を取ることに成功した。一番多かったのは1本の材から12匹のF1幼虫が取れている。 ただ幼虫発見のタイミングが遅いと産卵材を全て食べ尽くしてしまい、針葉樹マットの中に潜り込んでいて広葉樹の材の食べ残しを探して食べていた幼虫を見つけた。多くの幼虫は産卵材の食べ尽くしに成る前に死亡になってしまう個体もいたと考えられる。また常時飼育ケースを見ている訳ではないので、産卵材を割り出すタイミングが遅いこともしばしばであった。

産卵だけで言うのであれは゛針葉樹マットは都合が良かったが、産卵後の産卵材の食べ尽くしによってF1幼虫の死亡するケースも出てしまったので、マットの変更を考えざるえなかった。

●2006/07は3令2匹、初令1匹、卵1匹を割り出した。
●2006/11は初~2令幼虫を24匹を割り出した。

累代飼育のパターンを決めた。
★材割り採集個体→幼虫から羽化した成虫・・・保管
★多産地採集個体→小型♂+中・大型♀は同居飼育(1PAずつ)
★多産地採集個体→中型♂は大ケースに入れ、♀を交代に同居させペアリング終了後、♀単独飼育。

2005年度版累代セット

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●2005年度版累代セット

★ブナ100%菌糸ブロックを購入し、菌糸ブロックをそのまま崩してマットとして利用した。
幼虫における菌糸ビン飼育もヒメオオの場合は可能であることと、菌糸から出る水分?を産卵
材が吸込むことで水分調整も可能かと思える。

★*山採れブナ材と*コナラB材をメインに産卵材を使用。
(*材については累代実験に使用した材のコーナを参考下さい)
★ブナ100%菌糸ブロックを購入し、そのまま崩してマットにして産卵材を
一部は埋め込み・一部は菌糸マットの上に置くように配置した。
★水分補給はほとんどせずにビニールのシールド等で中蓋として保水維持を行なう。
★ミズゴケか落葉を適当に上からばら撒き歩きやすくしてあげる。
★基本的には♀の単独飼育とし、♂♀同居させる場合はなるべく大きな♀と
中・小型の♂とを同居させる。(ヒメオオは♂による♀の挟み殺しが多い)

■2005年度はしっとりさせた硬い材の維持を考え、ブナ菌糸ブロックを利用した
累代セットを組んだ。 材の状態が良ければ菌糸ブロックのマットにおいても
産卵をし、幼虫が取ることができたが・・・・問題がひとつ起きた。

夏場の菌糸の劣化が起こる。 菌糸劣化による悪影響もあり、実験的に菌糸マットから
針葉樹マットに変更したセットを数セット作ってみた。

★針葉樹マット・・・ダニなどの発生が少なく、水分の保持が長い、見た目キレイ
          価格が安い、ヒメオオがマット産みではないので産卵は可能。

★累代飼育での初令幼虫は2004年越冬個体4PAより得られた。
材はコナラ材あり、山採れブナ材ありの状態であったが、
加水気味の方が安定している。

2005/12/04の成果
北海道産F1幼虫 9匹
福島県産F1幼虫 2匹(3令1匹)
長野県産F1幼虫 4匹
青森県産F1幼虫 2匹
富山県産F1幼虫 1匹
岩手県産F1幼虫 1匹
合計   幼虫  19匹 

2004度版累代セット

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●2004度版累代セット

★2004年はミズゴケを主体に昆虫マット及びブナ菌糸ブロックを使ってとセットを組んでみる。
前年、菌糸カスを使用して産卵に成功している事例があり、目的は材のしっとり感と硬さ
維持が目的である。 霧吹きの加水の面倒とまた過加水によるミミズ発生やびちゃびちゃを
無くしたかったのも目的のひとつである。  2002年からヒメオオの飼育数も増やし充分
過ぎる程のペアも用意できた。

★採卵材もコナラ、クヌギ、ヤナギ、霊芝材、山採れブナ材、シラカンバ材など数を揃えた。 

ヒメオオ♂と♀の同居飼育セット
同居飼育の場合は♂による♀の挟み殺しに注意すること。
または♀の大きさを大きくし、小型の♂と同居させるのも手である。

2003年累代飼育セット

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●2003年度版累代セット

昆虫マットを軽く敷き、その上にミズゴケを置き、産卵材をセットした。
中蓋代わりにビニールのシールドをして保水維持するようにセットした。
産卵木コナラB材。

越冬成虫の♀がコナラB材を齧り始め、約2ヶ月後にヒメオオ初令幼虫が
取れ始めた。初令幼虫はブナのオガコマットと菌糸カップに分けてみた。

2002年度版累代セット

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2002年度版累代セット

★ヒメオオの絶対数の確保
★ヒメオオの生息地の確認とヒメオオの生息材の状態を調査
★適切の産卵材の調査
★加水状態・最適採卵温度の調査
★他採卵成功者のセットを再現

今回の飼育セットは昆虫マット・黒土等をやってみた。

幻の鹿児島県産ヒメオオ【南限更新個体】

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■幻の鹿児島県産ヒメオオ

鹿児島県ヒメオオの生息確認は2007.06.24に確認できた。私が2006.11.04に採集した個体が羽化し確定できた。過去ヒメオオの南限は熊本県南部とされていたが鹿児島県ヒメオオの羽化により南限の更新ができたと思われる。2007.07.29鹿児島県ヒメオオ♂が羽化した。

■薩摩郡さつま町泊野紫尾山■姶良郡湧水町木場栗野岳■霧島市牧園町高千穂周辺■垂水市新御堂高隅山系周辺などにブナ林があり、産地仔細は産地荒廃保護の為、伏せることにする。
■沖縄県においてはヒメオオの生息痕跡は無い。生息不可と思われる。

2006.11.04材割
2007.06.24羽化

幻の鹿児島県産ヒメオオ
(ヒメオオ南限更新個体)

画像1: 2007.06.13撮影 蛹
画像2~4:2007.06.24撮影 羽化直後
画像5:  2007.06.30撮影 羽化約1週間後

フリー百科事典に南限発表
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%82%A6%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%82%A6%E3%83%92%E3%83%A1%E3%82%AA%E3%82%AA%E3%82%AF%E3%83%AF%E3%82%AC%E3%82%BF

★ヒメオオの幼虫の同定方法と生息環境

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■ヒメオオの幼虫と生息環境

★ヒメオオの幼虫の同定方法

頭部亀裂線の外側が濃い目のオレンジ色で内側は薄めのオレンジ色になっている。
外側も内側もほとんど同じ薄い感じのオレンジ色はアカアシの可能性が非常に高い。

大アゴが直線的な点や、Cの形の模様(気門付近)はドルクス系のアカアシと同じ。
体色も全く同じ木の同じような場所で採れると、ほとんど同じになってしまう。
基本はクリーム色の体色がヒメオオとされているが、同じ環境で採れることが
多い為に、体色の比較は難しい。 私はほとんど頭部亀裂線の色で判断している。