★シラカンバ材★霊芝材★ヤナギ材★エノキカワラタケ材

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●シラカンバ材(1年間ブナ菌糸カス漬け込み材)
シラカンバにおいてルッキングでヒメオオが採れる事例は各県においてもあり
同じカンバ類のダケカンバの黒枯れ材においてヒメオオの幼虫が採れたと言う
採集例が山梨県においてある。実験材として使ってみることにした。

ただそのままシラカンバの生木や朽木を飼育セットに入れて難しいと考えて
1年間ブナの菌糸カスの中に漬け込み寝かせてみた材を利用した。
★シラカンバ材での産卵成功率は極めて低いが、生まないことも無い。
 1匹ではあるがシラカンバ材を割り出したところヒメオオの幼虫が
 得られていた。しかしこの材は割り出す少し前に追加加水を行なって
 しまい、材の中でヒメオオの幼虫が死んでしまった状態で発見されている。

●霊芝材
霊芝(キノコ類)を使って作った材である。霊芝材の硬めの部分だけの
限定で言えば、ヒメオオの採卵には成功している。
★ヒメオオ採卵成功率は普通ぐらい、硬めの部分には産むことはある。
 カラカラの乾燥した霊芝材の木っ端材から累代幼虫を割り出したことがある。

●ヤナギ材
たぶんこれは枝垂れ柳の材とは思うがヤナギ材として売っていた。スライス材にして
採卵セットの中に入れた。確か1-2匹は幼虫が取れた気がする。
★ヒメオオ採卵成功率は低いと思うが、全く産まないことは無い。
 過去ヤナギ材にて累代幼虫を取られたクワ友さんがいる。

●エノキカワラタケ材
この木は1.5mほどの長さのエノキ原木にカワラタケ菌を打って貰ったのだがオークションで
当時2000円だったと記憶している。3年間ビニールに入れたまま保管していた。飼育ケースに
入れるサイズにする為切断した後のがこの写真である。
★ヒメオオ採卵成功率はそこそこ高い。
 カワラタケ菌がまわっている木の場合は幾分か乾燥している状態の方が
 採卵には良いようである。 たまたまオオクワに使ったところオオクワは
 爆産状態、ヒメオオはそこそこ産んだ程度である。

★コナラB材 ★クヌギ産卵材

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●コナラB材

コナラB材とは規定外や芯や節の少しある材が安価なB材として販売されている。
全て白枯れの柔らかなA材よりもヒメオオには適していると思っている。
コナラはクヌギと比べると幾分か北国向きかと思っている。クヌギより自生域の
緯度も高く、標高も少しクヌギより高い標高まで自生している。山採れブナ材以外の
材としてはヒメオオの産卵材には良い材である。

★累代成功率も高い材である。
★加水はしっとり加水の硬め維持ができる方法が良い。
 加水した針葉樹マットに漬け込み水分を吸収させる方法も有効。
 菌糸カスに漬け込み水分を吸収させる方法も有効。
 ビニール袋内に乾燥している状態で保管していても良い。
いずれにしても加水はさせるが硬さが残る方法を試してみると良い。

●クヌギ産卵材

クヌギの自生域にはヒメオオは生息していない。クヌギについて調査を行なった結果、
自然林としては福島県以南が自生域と思えられる。もちろん2次林などで植林されて
生息している所は青森県や北海道の一部でもあるようだが、また標高としても低く
ブナ帯での混合林にはほとんど無いと言える。 北国のマイタケ・ブナシメジが多いのと
イシタケ栽培の地域があまり北国に無いのもその関係かも知れない。ただ現在は室内に
おける培養栽培もあり、昔のキノコの産地と変わっている可能性もある(余談だが・・)。

★ヒメオオの産卵成功率はあまり高くないが、産まない訳でもない。
★一番手に入り価格が安いことと材の供給が安定であり、商品管理もされている。
 ただ、材として使うのであればなるべく芯などがあるようなB材が良い。
 採集時においては柔らかめの白枯れからのヒメオオの発見はほとんど無い
 柔らかな白枯れのクヌギ材を使用すると材を齧ることはあっても寝床になる
 ぐらいで産卵はしてない場合が多い。
★なるべく加水を軽くした状態で使う(加水しすぎの柔らか材は最悪)か、
 できればしっとりさせる加水をし、ただ硬さを維持させる方法を考慮すると良い。
★私自身は1991年からヒメオオを飼育しているが1992年05月にクヌギの
 乾燥気味の材からヒメオオの幼虫を取ることができたのでクヌギでも産むと断言できる。
 また他の累代飼育者の中でもクヌギ材からヒメオオ幼虫を取ることを成功した方もいる。

★山採れブナ材 ★ブナカワラタケ材

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●山採れブナ材

材割り採集時において廃材で使えそうな材は持ち帰ることがある。
基本的にはブナの朽木のみである。

自然乾燥をさせているが、今回遊びでブナシメジ(市販)の水溶液に浸けて加水
してみることにした。

★採卵成功率はやはり高い材である。
★ただ山採れと言うことで雑虫の処理が面倒である。
 雑虫:カミキリ幼虫・甲虫幼虫・白蟻・蜘蛛・キクイムシなども混じる。
★産卵ケースに合う大きさにカットする時に材が硬いのでカットが大変である。

2004年に南会津にて拾って来たブナ材を加水しブナシメジとともにビニール袋へ入れてみた。
袋のフタは閉じてはなく、軽く空気が通る程度にしてみた。キノコが腐るか、菌が回るかは判ら
ないが実験してみることにした。少しでも天然材に近付けばとの気持ちである。

山採りのブナ材と一言になるが、ブナだから何でも良いと言うものではなく、
ヒメオオが採れそうな材もあれば、居ないであろう材もある。また居るライン
もある。単にブナを使ってもヒメオオは産むとは限らない。どうせ累代セットを
組むのであれば、産みそうな材をセットしてあげたい。採集派と飼育派が対立
するのではなく、飼育派の方も自分の知らない知識を持つ採集派の方とどんどん
交流すべきだと思う。 自然の状態を人工的に作らなければならない飼育・・・
飼う飼育から変えていかなければならないのかも知れない。  
今の動物園や水族館もただ見せるから生態系の環境を考えた状態に飼育ゲージが
変化してます。テーマはより自然に・・・

●ブナカワラタケ材

ヒメオオ=ブナ材のイメージとおり沢山産むだろうと思い購入した。
結果は期待外れのような気がした。 山採れブナ材とブナカワラタケ材では
同じブナなのに何故?結果が違うのと思われるかも知れないが、答えは簡単であった。

■ブナカワラタケ材はオオクワ等向けに生産している場合か殆どで白枯れ部分が中心。
■山採れブナ材は自分が採集しててこの木なら産みそうだと言う木を持って帰る。
この違いがあり、同じブナではあるが・・・結果は違った。

★ヒメオオ採卵成功率は普通で、加水すぎに注意をすること。
 微加水か一度加水ししっかり水切りをした、少し硬めの方が産みやすい。

採卵時期と温度について

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6月上旬~7月上旬にかけてヒメオオ♂にたいして♀の数が少なく感じる時期がある。ヒメオオの場合は持ち腹越冬をする種と思われるし、♂にたいして♀の羽化時期も早い。この時期がヒメオオのメインの産卵時期と思われる。気温にして約16度前後。採集を続けていく中での感じであるが7月~9月は交尾期間とした場合。8~10月が産卵期となるが厳冬下での初令幼虫よりも初夏の初令幼虫の方がより安全に幼虫として越冬しやすい。♀の多くは越冬直後の6月上旬~7月上旬に産卵活動をすると考えれば♀が少ないのも納得できる。また新成虫で羽化した個体が7月~9月に野外活動を開始し、交尾活動を始めるとなれば、ヒメオオがこの時期数多くなるのも納得がいく。自宅飼育下では外気温が高山のように下がらないこともあり、11月頃に自宅で幼虫が孵化したケースも多かった。 当然、高山下の環境と自宅飼育下の環境での時間・時期のズレはあっても当たり前の話しでその辺をイメージしていれば良い話しである。

2007年度版累代セット

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●2007年度版累代セット

2006年においては針葉樹マットをメインに山採れブナ材とコナラB材にて採卵セットを
組み累代幼虫を年間で約40匹近くを出したが、材の割り出しが遅く産卵材を食べ尽く
して、針葉樹マットのマットの中に潜り込み針葉樹マットの中の食べカスを食べてた
幼虫も発見した。これは多くの幼虫が気づかないうちに何匹か死亡していたことも予想
された。その為2007年度は再び昆虫マットへと切り替えることにした。

2002年では昆虫マット
2003年では昆虫マット+ミズゴケ
2004年では菌糸カスマット
2005年では菌糸ブロック崩しマット
2006年では針葉樹マット
2007年度は昆虫マットへ再び変更

もちろん2002年から色々な産卵材仕込み実験・ペアリングの時期や大きさの確認
越冬個体の産卵確認や単独飼育か同居飼育かなども色々観察をした。

★昆虫マットはどのマットが産卵/幼虫飼育に良いかを調査しょうと思っている。

●ブナ完熟マット→ブナ完熟+ブナ生オガコ混合マットへ

クルビマット→ブナ完熟マットへと交換していき、幼虫の死亡率が少し減ったが、まだ密封性の高いプリンカップ内では時折、菌糸のようなものが回り幼虫が死んでしまうことがある。★マット飼育に仔細画像http://blogs.yahoo.co.jp/katuuya2009/3495119.htmlがあります。

材割りをする中でブナの完熟マットのようなところに居る幼虫も居るが、材自体は硬く菌が回りにくい・・・菌糸ビン作成時に良く使われるブナの生オガコを今回購入し、ブナ完熟マットとブナ生オガコを混合させて幼虫飼育に使うことにした。これは材割りの際にヒメオオの幼虫が白枯れの所と芯の黄色・褐色などの色の部分との境に多く、枯れて無いブナのオガコが混ざっていても状態は自然に近い感じがするからである。完熟マットだけだと劣化による菌糸状態になることもあるが生オガコを混合させることで多少オガコが吸収してくれるのではないかと思うのも交換の要因のひとつである。

2006年度累代セット

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●2006年度累代セット。

2005年度はブナ菌糸ブロック崩しマットを敷き詰めたセットであったが、
夏場の菌糸劣化に遭遇し、2005年の後半は実験的に針葉樹マットに変更していた。

★2006年度は当初から針葉樹マットによるセットとして組んでみることにした。
★産卵材は山採れブナ材とコナラB材とを基本材にした。
★加水状態はしっとりさせながら材の硬さを維持する・・・針葉樹マットに
  気持ち多めに加水をし、乾燥状態のまま材を投入して材が自然に針葉樹マット
  の水分を吸込むようにした。
★保水維持の為に飼育ケースにビニールのシールドを中蓋としてして利用した。
★♂♀のペアの大きさはなるべく大型の♀と中型・小型の♂とのペアリングとし
  大型♀の場合は同居飼育としたが、中・小型の♀はなるべく♂との交尾確認後に単独飼育とした。
★エサは市販の安いゼリーである。
★飼育温度は夏場24度前後、秋・春は常温で冬はおおよそ8-15度前後の常温である。

●エノキカワラタケ菌糸材3年仕込み
★1.5mのエノキ原木にカワラタケ菌を植菌した材を2002年にオークションで購入し、
ビニールの袋に入れたまま、日陰で3年間寝かしました。 菌は全体的に周り、
今は落ち着いた感じでしたのでヒメオオクワの採卵材に使用することにしました。
材は軽めの加水をしただけで、材の周りに加水した針葉樹マットを配置し、材を
埋め込むような感じでセットしました。

2006年度版累代セットにおいてヒメオオのF1幼虫を取ることに成功した。一番多かったのは1本の材から12匹のF1幼虫が取れている。 ただ幼虫発見のタイミングが遅いと産卵材を全て食べ尽くしてしまい、針葉樹マットの中に潜り込んでいて広葉樹の材の食べ残しを探して食べていた幼虫を見つけた。多くの幼虫は産卵材の食べ尽くしに成る前に死亡になってしまう個体もいたと考えられる。また常時飼育ケースを見ている訳ではないので、産卵材を割り出すタイミングが遅いこともしばしばであった。

産卵だけで言うのであれは゛針葉樹マットは都合が良かったが、産卵後の産卵材の食べ尽くしによってF1幼虫の死亡するケースも出てしまったので、マットの変更を考えざるえなかった。

●2006/07は3令2匹、初令1匹、卵1匹を割り出した。
●2006/11は初~2令幼虫を24匹を割り出した。

累代飼育のパターンを決めた。
★材割り採集個体→幼虫から羽化した成虫・・・保管
★多産地採集個体→小型♂+中・大型♀は同居飼育(1PAずつ)
★多産地採集個体→中型♂は大ケースに入れ、♀を交代に同居させペアリング終了後、♀単独飼育。

2005年度版累代セット

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●2005年度版累代セット

★ブナ100%菌糸ブロックを購入し、菌糸ブロックをそのまま崩してマットとして利用した。
幼虫における菌糸ビン飼育もヒメオオの場合は可能であることと、菌糸から出る水分?を産卵
材が吸込むことで水分調整も可能かと思える。

★*山採れブナ材と*コナラB材をメインに産卵材を使用。
(*材については累代実験に使用した材のコーナを参考下さい)
★ブナ100%菌糸ブロックを購入し、そのまま崩してマットにして産卵材を
一部は埋め込み・一部は菌糸マットの上に置くように配置した。
★水分補給はほとんどせずにビニールのシールド等で中蓋として保水維持を行なう。
★ミズゴケか落葉を適当に上からばら撒き歩きやすくしてあげる。
★基本的には♀の単独飼育とし、♂♀同居させる場合はなるべく大きな♀と
中・小型の♂とを同居させる。(ヒメオオは♂による♀の挟み殺しが多い)

■2005年度はしっとりさせた硬い材の維持を考え、ブナ菌糸ブロックを利用した
累代セットを組んだ。 材の状態が良ければ菌糸ブロックのマットにおいても
産卵をし、幼虫が取ることができたが・・・・問題がひとつ起きた。

夏場の菌糸の劣化が起こる。 菌糸劣化による悪影響もあり、実験的に菌糸マットから
針葉樹マットに変更したセットを数セット作ってみた。

★針葉樹マット・・・ダニなどの発生が少なく、水分の保持が長い、見た目キレイ
          価格が安い、ヒメオオがマット産みではないので産卵は可能。

★累代飼育での初令幼虫は2004年越冬個体4PAより得られた。
材はコナラ材あり、山採れブナ材ありの状態であったが、
加水気味の方が安定している。

2005/12/04の成果
北海道産F1幼虫 9匹
福島県産F1幼虫 2匹(3令1匹)
長野県産F1幼虫 4匹
青森県産F1幼虫 2匹
富山県産F1幼虫 1匹
岩手県産F1幼虫 1匹
合計   幼虫  19匹 

2004度版累代セット

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●2004度版累代セット

★2004年はミズゴケを主体に昆虫マット及びブナ菌糸ブロックを使ってとセットを組んでみる。
前年、菌糸カスを使用して産卵に成功している事例があり、目的は材のしっとり感と硬さ
維持が目的である。 霧吹きの加水の面倒とまた過加水によるミミズ発生やびちゃびちゃを
無くしたかったのも目的のひとつである。  2002年からヒメオオの飼育数も増やし充分
過ぎる程のペアも用意できた。

★採卵材もコナラ、クヌギ、ヤナギ、霊芝材、山採れブナ材、シラカンバ材など数を揃えた。 

ヒメオオ♂と♀の同居飼育セット
同居飼育の場合は♂による♀の挟み殺しに注意すること。
または♀の大きさを大きくし、小型の♂と同居させるのも手である。

2003年累代飼育セット

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●2003年度版累代セット

昆虫マットを軽く敷き、その上にミズゴケを置き、産卵材をセットした。
中蓋代わりにビニールのシールドをして保水維持するようにセットした。
産卵木コナラB材。

越冬成虫の♀がコナラB材を齧り始め、約2ヶ月後にヒメオオ初令幼虫が
取れ始めた。初令幼虫はブナのオガコマットと菌糸カップに分けてみた。