ヒメオオ生息概要 関東ヒメオオ

茨城県ヒメオオ
●茨城県においてはブナの棲息している山はあるものの、県全体で高標高の山が少なく、ヒメオオの生息数は極めて少ないと思われる。採集記録もほとんど無く幻のヒメオオとされている。
●茨城県のブナ林は■桜川市(旧:真壁郡真壁町)上小幡加波山■つくば市筑波山■常陸大田市(旧;久慈郡金砂郷町)上宮河内■大古町頃藤男体山と湯沢峡■大古町袋田奥久慈自然村■大古町上野宮八溝山■日立市(旧:多賀郡十王町)黒坂堅破山にある。ヒメオオが生息可能となる生息域であるが、ほとんど確認ができず幻のクワガタとなっている。
●茨城県ヒメオオ関連の報告(昆虫雑誌一部抜粋・一部編集)
★日本ヒメオオ狩猟記:茨城県(くわがたマガジン30)
 
 
栃木県ヒメオオ
●栃木県指定:要注目種
●栃木県のヒメオオの分布域として■日光市川俣・奥鬼怒■日光市(旧:塩谷郡栗山村)■日光市湯元■日光市中宮仕祠・中禅寺湖以北■日光市湯西川温泉近郊などに生息分布域がある。
●栃木県ヒメオオ関連の報告(昆虫雑誌一部抜粋・一部編集)
★栃木県の分布域として奥鬼怒、塩谷郡栗山村として紹介している(1987/03月刊むし193)★1883年George Lewis氏により中禅寺(栃木県)と蓴采沼(じゅんさいぬま)及び七飯(いずれも北海道渡島半島)の3ケ所で得られた6♂8♀の標本より新種発表した。1927年北海道定山渓での標本もヒメオオとされている(1987/03月刊むし193)★ヒメオオ四季物語他(昆虫フィールド37/38/44)★日本ヒメオオ狩猟記:栃木県(くわがたマガジン30)
 
 
群馬県ヒメオオ
●群馬県指定:絶滅危惧1B種
●群馬県の分布域として■利根郡みなかみ町(旧:利根郡水上町)武尊山■利根郡みなかみ町(旧:利根郡水上町)坤六峠■利根郡みなかみ町(旧:利根郡水上町)法師温泉■利根郡片品村東小川・丸沼■利根郡片品村・尾瀬■利根郡片品村田代林道などの栃木県及び福島県に隣接した地区がメインの生息分布域となっているが、過去には■高崎市榛名湖町や■勢多郡富士見村赤城山などにも生息記録がある。また南部の■藤岡市(旧:多野郡鬼石町)上日野周辺の御荷鉾山などもヒメオオの生息の可能性はあると思われる。
●群馬県ヒメオオ関連の報告(昆虫雑誌一部抜粋・一部編集)
★1969年07月28日から31日武尊山武尊牧場キャンプ場にて高桑正敏氏がシラカンバの生木に付いているヒメオオの♂♀の発見報告をしている(月刊むし003) ★群馬県の分布域として武尊山、丸沼、尾瀬として紹介している(1987/03月刊むし193)
 
 
埼玉県ヒメオオ
●埼玉県のヒメオオ生息分布域としては■秩父市(旧:秩父郡大滝村)中津川渓谷となる。■秩父市大滝の雁坂峠付近も可能性はあると思われる。更に奥秩父一帯は生息分布域がまだ他にもあるかと思われるが山が深すぎてなかなか発見できない。
●埼玉県ヒメオオ関連の報告(昆虫雑誌一部抜粋・一部編集)
★埼玉県の分布域として秩父郡中津川渓谷として紹介している(1987/03月刊むし193)★日本ヒメオオ狩猟記(くわがたマガジン30)★ヒメオオ四季物語(昆虫フィールド39)
 
 
東京都ヒメオオ
●東京都指定:準絶滅危惧種Cランンク(伊豆部)
 
●東京都ヒメオオは奥多摩地区に生息し、採集標本として伊豆大島産のヒメオオ♀個体の標本があり絶滅危惧指定が伊豆部になってはいるが、疑問視する考えが多い。奥多摩地区の本土部が指定なら納得がいくが1つの標本のみで、その後30年以上経っていても追加標本すら出てきて居ない。個人的意見ではあるが大島での生息はしていないと思っている。大島の標本個体は漂流個体のような気もしている。奥多摩地区は東京都の水源地でブナ林の面積としては全国8位にもなっている。
●東京都のヒメオオ生息分布域として■西多摩郡奥多摩町日原天祖山及び日原林道~雲取山■西多摩郡奥多摩町河内三頭山(桧原都民の森)となる。東京都のブナ林としては■八王子市高尾町高尾山もあるが標高的には生息が難しいと感じる。■大島町三原山(標高764m)は標本があるが無理と思う。
 
●東京都ヒメオオ関連の報告(昆虫雑誌一部抜粋・一部編集)
★東京都の分布域として日原天祖山として紹介している(1987/03月刊むし193) ★国立科学博物館において「伊豆大島(伊豆七島未記録)、13-Ⅷ-1950、1♀、小林峰生採集」のラベルりヒメオオ♀の標本が保管されている(1987/03月刊むし193)★ヒメオオ生息地:東京都(昆虫フィールド49)
 
 
千葉県ヒメオオ
●千葉県においてはヒメオオの生息は確認されておらず、生息不可と思われる。
●千葉県での最高峰■南房総市丸山平塚/鴨川市吉尾平塚に位置する愛宕山408mはヒメオオの生息環境とは掛け離れており、現地確認もしたが植樹層も違う。千葉県におけるブナは君津の東大千葉演習林内に保存樹としてイヌブナが4本あるだけで、個人的意見として千葉県にはヒメオオの生息はないと断定した。
 
 
神奈川県ヒメオオ
●神奈川県ヒメオオはレッドデータ対象外
●神奈川県のヒメオオの生息分布域として■相模原市津久井町鳥屋丹沢蛭ケ岳■秦野市戸川表丹沢ヤビツ峠~二ノ搭登山道■足柄下郡箱根町元箱根神山■足柄下郡箱根町元箱根周辺にて生息記録がある。また■足柄下郡箱根町仙石原箱根ポーラ美術館周辺のブナ林にも訪れたことがあるが、ここでのヒメオオの生息分布としては難しいと感じた。
●神奈川県ヒメオオ関連の報告(昆虫雑誌抜粋・一部編集)
★1972年10月02日表丹沢ヤビツ峠~二ノ搭登山道標高700~800m付近において柴田充朗氏がヒメオオ♂の路上徘徊個体を採集したと報告がある(1982/01月刊むし131) ★神奈川県の分布域として丹沢蛭ケ岳として紹介している(1987/03月刊むし193) ★2003年04月29日足柄下郡箱根町神山において木崎庸雅氏がヒメオオ♂1と幼虫を採集したと報告している(2003/08月刊むし390)★ヒメオオ四季物語他(昆虫フィールド36/37/38/40/41/48)★日本ヒメオオ狩猟記(くわがたマガジン29)
■2003年12月08日に私も足柄下郡箱根町神山においてヒメオオの捕獲に成功している。