ヒメオオ生息概要 北海道・東北ヒメオオ

北海道ヒメオオ
●北海道におけるヒメオオの北限は江別、赤井川、札幌、夕張までとされており、北海道の東限として夕張、日高ヒメオオが確認されているようである。当別町、浦臼町、新十津川町辺りまでいる可能性があるとされている。北限の調査は北海道のグループの方々が調査されているのでお任せするとして、やはり道南の方が生息数は多いようである。ブナの北限も渡島半島辺りまでとなっており、それ以北においては産卵を含めてホストの木が変わるようである。★北海道の方のブログの中に空知管内でのヒメオオ捕獲の写真が掲載されていた。また2004年に夕張北部山地でのヒメオオ捕獲していると言う記事が書いてあった。着実に実績をあげられており、北限の更新が行なわれているようである。頑張って頂きたい。
●北海道ヒメオオの生息域として■桧山郡上ノ国町■桧山郡厚沢部町■瀬棚郡せたな町(旧:久遠郡大成町)■上磯郡知内町■上磯郡木古内町■松前郡福島町大千軒岳■函館市近郊■亀田郡七飯町蓴采沼周辺■札幌市近郊(定山渓含む)■江別市野幌森林公園■余市郡赤井川村周辺■小樽市朝里■千歳市紋別川流域■苫小牧市近郊■夕張市近郊■沙流郡日高町■奥尻郡奥尻町などが生息分布域と思われる。(一部推測含む)
●北海道ヒメオオ関連の報告(昆虫雑誌抜粋・一部編集)
★北海道分布域は大千軒岳として紹介されている(1987/03月刊むし193) ★1883年George Lewis氏により中禅寺(栃木県)と蓴采沼(じゅんさいぬま)及び七飯(いずれも北海道渡島半島)の3ケ所で得られた6♂8♀の標本より新種発表した。1927年北海道定山渓での標本もヒメオオとされている(1987/03月刊むし193) ★1991年に横山透氏が石狩低地帯東部の江別市野幌森林公園内で49mmのヒメオオ♂を捕獲したと報告をされている(1995/06月刊むし292)
青森県ヒメオオ
●青森県においてヒメオオは普通種であり、標高も500m付近でも採れる。多産地として有名な福島県の桧枝岐村広沢=ヒメオオのイメージになっているが、広沢と比較すると植樹層の違いを感じた。広沢の場合はブナの混合林ではあるがヤナギの群生・ダケカンバの群生が途切れることなく続き素晴らしい環境である。青森県は緯度も高いこともあり、もちろん環境は素晴らしいが広沢のように広葉樹林帯ではない、もちろんブナも豊富でブナ純林も多いが、スギ・モミなどの針葉樹と広葉樹とが混合した樹林でありその中にヤナギが点在する感じであった。またヒメオオよりアカアシの方が標高の高い所で多く採れたり、やはり各県によって植樹層を含めて変化があると思った。ブナは日本海型ブナである。
●メインの生息分布域としてはやはり■十和田市(旧:十和田湖町)周辺から八甲田山山麓周辺にかけての地域になると思われる。また■むつ市(旧:川内町)周辺■五所が原市(旧:北津軽郡)周辺■七戸町(旧:天間林村)周辺■深浦町(旧:岩崎村)白神山地周辺■西目屋村弘西林道周辺なども生息分布域と思われる。もちろん県内全体に生息分布域はあると思われるが・・・

 

●青森県ヒメオオ関連の報告(昆虫雑誌一部抜粋・一部編集)
★青森県の分布域として十和田、八甲田山として紹介している(1987/03月刊むし193)★ヒメオオ:青森県(昆虫フィールドNO.44)★日本ヒメオオ狩猟記:青森県(くわがたマガジンNO.29)
秋田県ヒメオオ
●秋田県においての生息分布域としては田沢湖・八幡平周辺がメインとなり、鳥海山や栗駒山辺りでの生息報告もある。高山系のルリ類クワガタの採集記録としては■雄勝郡東成瀬村大仁郷湿原■仙北市(旧:田沢湖町)玉川■由利本荘市(旧:鳥海町)鳥海山■大仙市(旧:仙北郡)周辺■湯沢市(旧:皆瀬村)小安などがあるが、ヒメオオの生息分布域としての可能性もあると思われる。

 ●秋田県ヒメオオ関連の報告(昆虫雑誌一部抜粋・一部編集)
★秋田県の分布域として仙北市(旧:田沢湖町)玉川温泉、秋田市(旧:河辺町)岩見山内として紹介している(1987/03月刊むし193)*平成合併に変更

岩手県ヒメオオ
●岩手県においては■遠野市辺りの標高400mぐらいでの採集報告もある。メインは秋田県境の■八幡平市■岩手郡雫石町周辺(国見温泉含む)■和賀郡西和賀町(旧:和賀郡沢内村)■花巻市/遠野市/下閉伊郡川井村に跨る早池峰山■一関市周辺の山岳部などが生息分布域となる。また北上山地標高200m付近の海岸での生息記録もある。やはり太平洋側の海岸に近い■宮古市(旧:新里村)源兵衛平周辺でのヒメオオの生息記録もある。
岩手県の場合ブナの植樹層が少し分かれるようで上記秋田県境の山岳部のブナは日本海型ブナであるが、太平洋側においては太平洋型ブナの混合があるようである。この太平洋側ブナの植樹層は岩手・宮城・茨城・栃木~岐阜県辺りまで続き太平洋/中部内陸部のブナ林の特徴が出ている。場所柄、個体数は居るとは思うが各地同様減少気味と思われる。オークション等における販売されている産地はほぼ同じであり、少数の方が販売されているのか、その産地が有力ポイントのどちらかであろう。
●岩手県ヒメオオ関連の報告(昆虫雑誌一部抜粋・一部編集)
★岩手県の分布域として雫石町国見温泉、早池峰山、源兵衛平として紹介している(1987/03月刊むし193)
宮城県ヒメオオ
●宮城県においては秋田県境の北西部と山形県境の南西部にヒメオオのポイントがある。ブナは太平洋型ブナと山間部の日本海型ブナとが県内において混合しているようである。クワ友さんの情報によるとオニグルミの朽木でヒメオオが採れたと言う情報もある。
●宮城県においては栗原市(旧:栗原郡花山村)温湯温泉■大崎市(旧:玉造郡鳴子町)周辺■仙台市太白区■刈田郡蔵王町蔵王山系などに生息記録があるようだ。
 
山形県ヒメオオ
●山形県ヒメオオは秋田県境・宮城県境・福島県境・新潟県境の各県境の周囲山岳地域も、また県中央部においても万遍なくポイントがある。また磐越自動車道や山形自動車道を利用すると東京から距離的にはあるが、時間的には早く日帰り採集も可能である。

 ■飯豊町/飯豊山■小国町■西川町~鶴岡市にかけての月山周辺■山形市/上山市の山形蔵王周辺■尾花沢市周辺■寒河江市■米沢市周辺での生息分布域があるとされている。

 ●山形県ヒメオオ関連の報告(昆虫雑誌一部抜粋・一部編集)
★山形県の分布域として朝日岳、月山、米沢市滑川温泉、摩耶山、飯豊山として紹介している(1987/03月刊むし193)